2009年9月6日日曜日

胸部上向大動脈瘤の経過観測をめぐって

 標題の大動脈瘤が発見されたのが、昨年、春でした。定期健診の胸部レントゲン撮影のときに、かかりつけ医が見つけてくれました。直径が47ミリの大きさ。正常値は20~30ミリですから、明らかに異常で、50ミリを超えると手術を要するという。比較的早期発見で、エコー、CTの撮影をその後、3ヶ月間隔で、検査し、いわゆる経過観測の期間に入りました。ほぼ50ミリに接近した時点で、かかりつけ医は、手術の必要な時期に来たと、手術を覚悟するように告げました。
 
そこで小生は、医療知識の専門的知識のないながらに、あることに気がつきました。

◆ 今回の大動脈瘤の」発見が、通常の胸部レントゲン撮影が切っ掛けであったことに関連して気がつ 
いたことでした。6年前に泌尿器科関連のがん治療のため、大手術をしました。その後の経過は良好で、今日に至っています。そこで思い出したことがあります。大手術の前には、当然、全身のレントゲン撮影を行います。 大手術を受けるに堪える身体かどうか、他に欠陥はないかを調べるためです。
記憶の通り、MRIの撮影を当時していました。胸部の撮影もしている筈でした。
その記憶を頼りに、病院に確認チェックを依頼したところ、案の定、大動脈瘤の兆候は、もう既に、ありました。

◆ 手術の目的が、泌尿器であるため、当時のMRIの胸部の異常には、何ら気に留めることが
なかったようです。後日、もう一度、そのMRIを担当医に見てもらったところ、大動脈瘤の発症が既に
会ったことを認めています。6年前の大動脈瘤の直径は、正常値をはるかに超えていました。

◆ 6年前のMRIの再チェックの結果、病院の心臓血管外科医は、6年間で、直径が2~3ミリしか
増加していないことを、認識して、今直ちに手術の執行をせず、先延ばしする治療方針を決めたような次第です。取敢えずの手術は、中止になりました。

 この手術、当座、実施しない方針への変更は、6年前のMRIの撮影との直径数値の比較が切っ掛けでした。なんと是に気がついたのは他ならぬ患者である小生の記憶でした。
もし、小生が6年前のMRIのことを申し出ていなければ、今頃はもう既に大動脈瘤の大手術を執行していたと思われます。

 このことは何を意味するでしょうか。手術執行方針の時期変更を、患者である小生のアイデアで
決定されと云わざるを得ない事態でした。

◆ 患者は自分自身を守る最大の味方である。
◆ 患者は、時として医師以上に賢明な医師になりうる。
◆ 全方位治療ということばあるかどうかは知りませんが
  現代の医療は、近視眼的治療である。それは医療機関の
  縦割り組織が災いしている。心臓血管外科の治療に当たり
  泌尿器科のMRI情報の存在が分からなかった。

 現代医学の「チーム医療」の脆弱な一面を垣間見た思いがします。

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