2010年8月10日火曜日

成人の「右鼠径ヘルニア修復術」の一般説明

 ヘルニアというと椎間板ヘルニアを初めに考える方が多いと思いますが、ここで説明するヘルニアとは、鼠径部(足の付け根の部分)のヘルニア、いわゆる脱腸です。小生の場合は、右鼠径ヘルニアでした。鼠径ヘルニアは年間約14万人が受診するほど非常に一般的な病気と言われています。

 鼠径ヘルニアの症状は、立った時やお腹に力を入れた時に鼠径部の皮膚の下に腹膜(内臓を覆う膜のこと)や腸の一部などが出てきて柔らかいしこりとして触れます。普通は指で押しこむと引っ込みますが、次第に大きくなり、不快感や痛みを伴ってきます。このまま、放置しますかと複数のドクターが小生に尋ねたように、修復手術をしないという選択肢もあるようです。

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 ⇒横道にそれますが、6年前に治療した前立腺癌も、①患部全摘出手術 ②放射線治療 ③放置する方法
の三つの対応方法があり、小生は①を選びました。ここでも③放置という選択肢があり、アメリカでも③を選択する場合が結構あるようです。 

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 出てきた腸が戻らなくなると、鼠径部のしこりが急に硬くなり痛みを伴い、押しこんでも引っ込まなくなります。この状況をヘルニア嵌頓(かんとん)といいます。はみ出した腸がつまると腹痛や嘔吐が出現します。嵌頓を起こす確率は400人に1人程度とされていて、比較的頻度は低いといえます。しかしながら、ヘルニア嵌頓は非常に危険な状態です。脱出した腸や腹腔内の臓器が壊死を起こしてしまうので、急いで手術をしなければ腹膜炎を併発し命にかかわります。

 今回の小生の「右鼠径ヘルニア修復手術」に当って、事前の説明書の中に、「手術の必要性;ヘルニア嵌頓(かんとん)の危険性がある。症状がある。」と若い医師(後で判ったことですが、実は研修医でした)
のコメントがありました。400人に1人の確率で発症するリスクを回避することが、「手術の必要性」に結びつくのか、釈然としない面もありましたが、(研修医の執刀によるリスクは何%?と考えてしまいましたが)結局、手術を受けることに決断したことは前述のとおりです。

 4泊5日の手術の結果、無事退院、経過は順調で、丁度1ヶ月過ぎて、殆ど痛みもありません。
昔の手術に比して、改良されていますが、その辺の詳細は、次回に致します。

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